教室を出て行く阿部とを見送った後、俺は一度大きな溜め息をついた。
もうすぐ昼休みは終了する。
きっと、二人は戻ってこないだろうな、なんて想像して、一人苦笑する。


俺は阿部の座っていた水谷の隣に腰を下ろした。





「お疲れ、花井」

水谷が苦笑しながらそう言う。

「・・・おう」

「あの二人、俺が見ててもイライラっつーか・・・見てらんねぇっつーか・・・」

「だよなぁ〜」

俺はまた大きな溜め息をつく。
そんな俺を見て、水谷は苦笑したまま俺の肩をポンポンと叩いた。

「つらいよねー、花井少年。のこと結構マジだったでしょ?」

う、と言葉に詰まってしまった。
コイツ、意外と鋭い。


「阿部もさ、普段のことスゲェ気にしてるくせに、素直じゃないよね」

と、言う水谷に、俺は「まったくだ」と大きくうなずく。






「俺、が花井に阿部のこと相談してるの目撃したことあるんだよね」

「・・・・・・マジ?」

「マジ。んで、そんときの花井、見ててつらそうだったぜ」

「・・・顔に出てたか、俺?」

「うんにゃ。文貴の予想」

「・・・あ、そう・・・」


いつもなら言い返したくなるが、今の俺にはそんな元気もない。
俺はきっと、にとっちゃいい友達っていうだけの存在なんだろうな。


・・・いいんだよ、俺は。
が幸せなら、それでいいんだよ。

・・・・・・本当は全然そんなことねぇけど、そういうことにしておいてくれ。





俺は教室に戻ってきた時のと阿部の表情を想像して、また深く溜め息をついた。








07/08/06
いい人に徹した花井でした。