・・・・・・どうしよう、コレ・・・。

あたしは、今朝ばったりと会ったおじさんに手渡された武のお弁当を手に、
何度目かのため息をついた。




















言 葉 に し た 想 い




















だって、武にあんなことをされたのはつい昨日の出来事。
気まずいに決まってる。

絶 対 、 会 え な い 。

あたしってば、武の股間蹴って逃げたんだよ・・・




そんなことを考えながら、武の教室の前を行ったり来たり。



数メートル先には、クラスメイトと笑い合う武の姿。

本当に、どうしたらいいんだろう・・・



「あれ?ちゃん?」

「!ツナくん!!」



神が来た!!

ナイスなタイミングで登場したツナくんに、あたしは今までにないほど感謝した。


「ツナくん、これ、武に渡してくれない?」

「?別にいいけど・・・どうしたの?そこに居るんだし自分で渡せば・・・」

首をかしげるツナくん。でもあたしはそれだけは絶対に避けたくて、

「いや、ちょっと忙しくて、ゴメン!とにかく渡しておいてね!じゃ!」

「え?あ、ちゃん?」


少しだけ動揺を見せるツナくんに構いもせず、
適当なことを言ってお弁当を押し付けると、一目散に自分の教室へと戻った。













++++++++++++




本当は、気づいていた。

が俺に弁当を渡すために教室の前まで来ていること。
けど、あたふたしてたの姿が可愛くて、声をかけずに居た。

・・・さすがに、昨日のことは悪かったと思ってる。
(まあ、俺の中では向こうも股間蹴ったしおあいこだけどな)



・・・けどよぉ。俺に言わせれば、無防備なが悪い。
しかも、ツナの話題ばっかり出してくるしよ。

俺の前で、他の男の話をしないでほしい・・・って、勝手すぎっかな?



「ツナー、おはよ。そこに、居たろ?」

「おはよー。はい、これ渡してくれって」

ツナはついさっき渡された弁当を俺に差し出した。

「お、サンキュー」

俺が受け取ると、ツナは首を傾げながら

「何かあったの?ケンカ?」

と、聞いてきた。俺は昨日会ったことをツナに話した。

「・・・んでー・・・要するに、俺の理性がプツンと切れたぐらいかな」

「・・・山本、それは笑いながら言うことじゃないと思うよ」


はぁ、と、盛大なため息をつくツナ。けど、すぐに

「山本の気持ちも分からなくはないけどね。だって山本、ちゃんのこと好きだもんなー」

と、笑った。だから俺は、




「好きなんてもんじゃねぇよ。愛してる」


と、笑顔で返した。
そしたらツナは、顔を真っ赤にしながら
「山本には敵わないよ」と小さな声でつぶやいた。


「・・・やっぱ、言わねぇと伝わりづれぇな」

ポツリと吐くと、ツナが心配そうに見てきた。

「・・・山本・・・」






それから数日間。
は見事に、それはもうあからさまに俺のことを避けていた。

まぁしょうがねぇよな、と思う反面、やっぱりと話が出来ないのは俺にとってとても辛いわけで…



夜、俺はの家に行った。

当然のことながらは(あからさまに)警戒している。



「ちょ、ちょっと!!この線からこっちに近づかないでよね!!」

の部屋に置かれた、毛糸の赤い線。
どうやら俺は、そっから先にいるには近づけないらしい。


「・・・おまえなぁ・・・」

「武が悪い!!」

「つか、おまえ馬鹿なのな」

「な、う、うるさい!万年赤点のあんたに言われたくないし!」

「おまえ、逃げ場ねぇじゃん」


俺はそう言うと、の言葉を無視して、赤い線の内側へと足を踏み入れた。


「んな!近づくなってば!!」


は顔を真っ赤にしながら、壁側へと後ずさった。
けれど、すぐ後ろは壁で、俺の言葉通り、に逃げ場はない。



かすかに、本当にわずかだけど、震えていることにも気づいた。


だから俺は、なるべくを怖がらせないようにゆっくりと傍に近づいて、そっと抱き締めた。

「・・・ち、ちょっ、何っ・・・」

「昨日のは、悪かった」

抱き締めたまま、に誤った。
そしたら、の身体にこもっていた力も少し抜けたようだった。

「・・・・・・あたしも、ごめん・・・股間」

「・・・、ホントにな」

「で、でも、武が悪いんだからね!?」

「うん、わるかった」


俺は素直に非を認めると、抱き締めていたの肩を掴み、視線を合わせた。


「順番が逆になっちまったな」

「・・・?」

「俺な、のことを愛してるわけだ」

「・・・・・・は?」

がすんごい好きなの」

「・・・!?」


はじめはポカンとしていたの顔が、瞬く間に真っ赤になった。

、ツナの話ばっかりするから、ツナに嫉妬した」

「な、何言ってんの・・・?」

「だから、が好きって」

「うわぁぁあ!!そ、んな言わないでよ!!恥ずかしい!!」

は真っ赤になった顔を両手で隠しながら俯いてしまった。










++++++++++++





あたしは、あの一件からずっと武を避けていた。
それはもう、さすがの武も気づくぐらいあからさまに。


だから、武と話をするのも久しぶりだった。

久しぶりに話したのに、それがいきなり「好きだ」なんて、
あたしの思考がついていく分けない。

両肩に置かれた武の手から、
あたしのドキドキが伝わってしまうんじゃないかと思った。

あたしは真っ赤な顔を隠すように俯いている。
とにかく、こんな真っ赤な顔を武に見せたくなかった。

いや、恥ずかしすぎる・・・!


、俺、何回でも言うぜ?がす・・・」

「うわぁあぁあ!!言わなくていいから!!もうやめて!!」


あたしは俯いたままぶんぶんと顔を横に振ると、
武はあたしの肩に置いていた両手を、今度はあたしの頬へ移動させた。
武が手に力を入れれば、あたしは簡単に上を向かされてしまう。


交わる視線。

武の表情は真剣で、
あたしは心臓が耳から飛び出るんじゃないかと思うくらいドキドキしていた。



が俺のこと、そういう対象に見てないってわかってたから」

「武・・・」

「とりあえず、今日で幼馴染は終わりな?」




そう言うと、武はあたしのおでこにチュッとキスをした。


「!!」

「はは、おもしれぇなはー」








その後、武は「んじゃ、それだけ言いたかったから」というと、
爽やかな笑顔を残し、去っていった。


あたしは、ひとり取り残された部屋で、ずっと考えていた。






・・・あたしにとって、武はどんな存在?










06/08/29
続かないと言いながら、こっそりと続きます(笑)
なんでこっそりなのかと言うと、終われるか自信がないからです(爆)
もしくは、絶対無理矢理的な終わりになりそうな気がするからです。

それでもよろしければ、こっそり楽しみにしていてください。


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こっそりアップから、堂々アップに変更(笑)
まさかテキストトップを増やすためなんかじゃないですよ!